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【九州大学・いのちの授業】「糀」〜菌の底力〜

【九州大学・いのちの授業】「糀」〜菌の底力〜のイメージ

九州大学「いのちの授業・自炊塾」で、”「糀」〜菌の底力〜について” というテーマで講座を担当させていただきました。



授業では、「糀」という日本の伝統食を次世代に伝えるということで、糀(麹)の歴史から、麹菌の持つ力、保存食としての麹、麹の効果効能、糀を活用した調理方法、さまざまな料理への応用などデモンストレーションと実習もふまえてお伝えしました。


学生さんから「こうじ」を表す2種類の漢字の違いについて、よく質問されることがあるのですが、基本的には、「糀」と「麹」は同じものを表しています。
「麹」は中国から伝わった漢字で、米・麦・豆などから作られる「こうじ」全般に使われます。一方で、「糀」は明治時代にできた和製漢字で、「米糀」のみに使われます。蒸したお米の表面に、ふわふわと白い菌糸が覆っている様子が花のように見えたことから「米」に「花」という漢字を組み合わせて、「糀」と表現するようになったのだそうですが、それだけ日本人の生活に「米糀」が身近な存在だったことを意味しています。


世界文化遺産にもなっている「和食」文化を支えてきたのは、日本古来のスーパーフード「糀」であり、味噌、醤油、みりん、日本酒、お酢など、どれも日本の国菌である「麹菌」がなければ存在していないものです。
「発酵大国」と言われるほど、日本にはたくさんの発酵食品があり、その発酵食品に「麹菌」が使われているものがとても多く、「麹菌」は、日本の食文化を支える重要な菌といっても過言ではありません。



大学の授業で、こういった「糀」など日本食の文化を継承しようとす取り組みにメディアも注目しているようで、朝日新聞出版社の”AERA”、西日本新聞、朝日新聞、食育白書にも授業の様子が掲載されています。


この九州大学「いのちの授業」では、授業に参加するだけでは単位がもらえず、授業のレポート以外に、毎日、自炊を行い、大学側が指定したFacebookグループに、作った料理の投稿を行わなければなりません。私のような専門家が、毎日その投稿を見て、アドバイスや質問にお答えさせていただいています。



身近にあるけれども、意外と忘れられがちな「日本の食文化」を次世代に伝える取り組みはもちろんのことですが、さまざまな健康情報が飛び交う現代社会において、本当に良いもの、自分に必要なもの、体質に合うもの、自分にとってはマイナス(毒)になるものなど、何を基準に選んだらいいのか?についても授業ではお話しさせていただきました。



情報過多な時代だからこそ、正しい知識を身につけ、自分の目で判断し、さまざまな体験を通して、自分にとって必要なものを選び取る力、感覚を養ってもらいたいですね。